香港からロンドンへ乗り合いバスだけで旅をされる道中の出来事にかなり憧れを持ちました。
何気なく図書館の蔵書を見ていたら深夜特急ノートと書かれた「旅する力」という彼の書いた本を見つけ、早速借りました。

彼がとてつもない旅行を企てたその背景などが書いてあり、非常に共感を得ました。この本のなかでとても印象に残った言葉があります。「わかっているのは、わからないことだけ」という言葉です。
僕が一生を通じて理解が出来ることはこの世の中の本当にひとかけらの僅かなものだけで、わからないことだらけで過ごしている訳です。日本にいたら分からないなりにも共通認識で何となく分かったつもりで暮らせるけど、外国に出たら否応なしに分からない状況に追いやられます。
僕は色んな所に出かけるのが好きですが、それは多分自分の知らないものに対して触れあえる機会を求めているからかなあなんて考えました。
観光地に行くという目的より分からない状況に身を置いて自分の内面を見つめることが好きなんだとこの本を読んでいて感じました。大学生の時に、ロンドンへ行くためにロスアンゼルスを経由して太平洋大西洋横断という馬鹿馬鹿しいルートで旅行をして、ロンドンでは特に観光らしいこともせず帰ってきたことが有るんですが、色んな人に出逢えてそれなりに充実した旅だった事を思い出しました。彼とはスケールが違うけどこの旅行が自分の価値観を決定付けたのかなあと今になって思います。
観光地に出かけるのも旅の楽しみですが、自分を見つめ直すことが出来るのも僕にとってもう一つの効用です。この本を読んで無性に旅に出たくなりました。

↑投票参加中!よろしかったらクリックお願いします!↑
【書評の最新記事】