二本のナショナルフラッグキャリアは、今かつてない危機に陥っていますが、映画を観ている限り、腐敗した状況は変わらないんだろうなと感じます。
そんな組織で、主人公の恩地氏がブレずに筋を通して困難な道を進んでいくのに比べ、かつて組合で同じ釜の飯を食べた行天氏は恩地氏ては袂を分かち順調に昇進していく…
組織で生きていくなかで、自らの信念を貫くか、体制に迎合するのか、表面的にどう見えるかは別としても、何れにしても組織で働く悲哀を感じました。
組織の為に良かれと動く事でもそれを是とするもの、否とするものが立場によってまちまちだし、それが権力と結びつくか否かで人生がまったく違ってくることに、運命のイタズラなんかいうけどそれでは済まされない重さを感じます。
山崎豊子さんの本はこの「沈まぬ太陽」の他に「白い巨塔」しか読んだことが無いんですが、二つとも同僚がある転機を迎え、それ以降反目しあうという構造は似てますね!徹底的に調べておられるからこそ、凄くリアリティと緊迫感が漂うのだなあと感じます。
「沈まぬ太陽」映画化することが内容的にも政治的にも困難かと思われたけど、薄っぺらいものにならなかったことに拍手を贈りたいと思います。
こんな車がまだあるのかというくらいきっちり時代考証もされていたけど、そこまでこだわられたなら、重箱の隅をつつくようなことをいうけど、遺族を乗せたバスのフロントガラスに貼付してある定期検査ステッカー、平成20年となっていたところが惜しかったですぬ


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