やっぱり定期演奏会で聴くのがいい

そう思わせてくれる演奏会でした!
プログラムはご覧の通り↓

ウェーベルンとマーラー
前半はウェーベルン
1曲目は、少人数の編成。
何だか音楽と言うより何らかの記号性のあるような短い音で構成された曲でした。指揮者の高関さんが、なかなか指揮棒を振らないでP席の方を見ておられて(なんだか見られているような気がしました

)なんだろうと思ったら、「コツコツ」と女性の歩くヒールの音が

どういうタイミングでホールに入ったのか分からないけど、もう少し空気読めよ!という感じ

どの曲もそうだけど、この曲は確かに静寂も1つの演出として重要だなと思ったので高関さんの意図が十分に伝わりました。
2曲目は1曲目と違い、大編成での演奏でしたが、大編成ではあるけれど、一音一音を大切に、およそ大編成とは思えないような繊細な演奏でした。
2曲ともなんだか実験的要素が強い曲のように感じられて、高関さんがタクトをやや誇張して降ろされてようやく曲が終わったことが分かった感じでした。
後半は、マーラーの交響曲第7番
この前、円山音楽堂の演奏会で広上さんが、CDがいつでも同じ味を提供するカップラーメンなら、演奏会はその日の味付けが微妙に変化するレストランのようなものとおっしゃっておられたので、実際にどのようなものか、事前にCDで予習しておりました

実際に聴いた感想ですが、珠玉の味と表現していいと思います!
カップラーメンの味が低レベルな訳ではなく、カップラーメンにしてはあり得ない味なんだけど、今日の演奏には太刀打ち出来なかったですね!
高関さん指揮の演奏は何度か聴かせて頂いておりますが、音楽に対する姿勢がひときわ真摯に感じます。皆さん真摯に向き合っておられることは論を俟たないことですが、高関さんはその中でもひたすら探求されている様な感じ。
広上さんの指揮は見ていてこちらもウキウキするような楽しさが伝わってきますが、高関さんは作曲者の意図を誠実にかつ堅実に伝えたいという感じが伝わります。
その意識に京響は見事に応えていたように思いましたし、実際第5楽章が終わったときにはちょっと鳥肌さえたちそうな感じ

BRAVO

の声も実際たくさん出ていましたし、拍手が鳴り止まずというところにも皆さん同じような思いだったんじゃないでしょうか?(マンドリンの労をねぎらう事をお忘れだったのはご愛敬でしたが

)
今シーズンベストのコンサートであったと感じました。
料理で言うと、既成概念にとらわれない創作料理を食べに来て、前菜に滅多にでない食材が出てきて驚いていると、後半のメインディッシュはこの上なく美味しく大満足!というところです

(見た目も京響にしては珍しい対向配置でしたしね!)
閉塞感漂うこのご時世ですが、こんな形で既成概念を壊してくれる人の出現を待ちたいものですね!
ワールドカップ

はオランダに惜敗して残念な日でしたが、僕には素晴らしい演奏を聴けたこの日は良き一日となりました。アリガトウ!
コンサートとしてはとても良かったのですが、パンフレットの曲目紹介に爪の甘い部分が見られたのであえて苦言を!
-thumbnail2.JPG)
どの段階で依頼をされたのかは知る由もないけど、文中に「今夜」の言う文言がいくつかありました。
前半の曲順変更について言及されているので、おそらく公演時間はお昼であることが分かっていたと思われるます。執筆者も校正者もその辺りもう少し注意を払うべきではないかなと思います。
お昼の演奏に「今夜の」とあるとちょっとしらけました。
それがどうした!と言われればそれまでですし、重箱の隅をつついているようなことを言っているなとも思いますが、アマチュアならともかくプロであるが故にあえての苦言です!
↑投票参加中!よろしかったらクリックお願いします!↑
posted by Kazu at 23:14
|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
音楽